睡眠アドバイス
最近「睡眠負債」という言葉が注目されています。睡眠不足が続くと、うっかりミスが増えたり、仕事の効率が下がるだけでなく、不眠症やうつ病などのリスクの原因に。また、睡眠時間が不足している人や不眠がある人は、生活習慣病になる危険性が高いこともわかってきています。
体とこころの疲労を回復させる、質の良い睡眠への改善方法を知っておきましょう。
睡眠時間は足りていますか?
仕事だけでなく家事、育児、介護などで忙しい日々を暮らす現代人。適切な睡眠時間の確保が難しい方が多く、特に夜勤などがある仕事では、睡眠習慣も不規則になりがちです。
健やかな睡眠は、体も心も休めてくれるもの。十分な休息をもたらしてくれます。大人に必要な睡眠時間は6時間以上8時間未満といわれています。もちろん個人差や年齢での違いはありますが、日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が目安です。
睡眠が足りていないと感じたら
毎日十分な睡眠をとることが基本ですが、仕事や生活の都合で、夜に必要な睡眠時間を取ることができないことは、ままあるものです。睡眠不足で日中の眠気にお困りの時は、可能なら昼寝をお勧めします。
昼寝のコツは30分以内の短い時間で、午後の早い時刻にとること。眠気で作業能率が低下しそうな時に効果的です。
質のよい睡眠に大切なこと
睡眠時間は十分でも、質のいい睡眠が取れていないと休息にはなりません。心地よい眠りのため、寝る前に取り組めるポイントをまとめました。試してみてはいかがでしょう。
1 毎晩同じ時間にベッドに入り、同じ時間に起きる
2 睡眠前に大量の食事をとらない
3 寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない
4 寝る前にテレビやPCなどLED液晶ディスプレイに触らない
5 雑音を出すものを寝室に置かない
6 部屋は自分が不安を感じない程度の暗さに。必要ならアイマスクを
7 部屋の温度や湿度は、季節に応じて眠りを邪魔しない範囲に保つ
なかなか寝付けない時は
眠たくないのに無理に眠ろうとすると、かえって緊張が高まり、眠りにつきにくくなります。眠れないときは、いったん寝床を離れましょう。リラックスできる音楽などで気分転換し、眠気を感じたら寝床に入ります。
ただし寝床に入る時刻が遅れても、朝起きる時刻は遅らせず、睡眠習慣を一定に保つことが大切です。「自分だけでは改善できそうにない」と思った時は、早めに専門医に相談を。心療内科や精神科が該当しますが、かかりつけ医に相談しても、アドバイスしてもらえます。
いつもと違う睡眠にご注意
「寝付きが悪い」「眠った気がしない」「どうしても眠れない」「途中で何度も起きてしまう」などで悩んでいませんか。睡眠中の身体の変化には、病気が隠れていることもあります。
例えば、激しいいびきは睡眠時無呼吸症候群、就寝時の足のむずむず感や熱感はレストレスレッグス症候群、睡眠中の手足のぴくつきは周期性四肢運動障害の可能性も。
また、睡眠中に歯ぎしりがある人は、顎関節の異常や頭痛を持つことが多いとも言われています。いずれも医師や歯科医師に早めに相談することが大切です。
参考/厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」