病気・ケガで始まる介護
介護が始まるきっかけは?
介護や支援が必要となる主な原因※は、脳卒中などの脳血管疾患が16.6%、認知症が18.0%、高齢による衰弱が13.3%、骨折・転倒が11.8%、リウマチなどの関節疾患が10.9%と続きます。このうち脳血管疾患や骨折・転倒はまさに“突然おこる介護のきっかけ”となります。家族は入院中の身の回りのケアとともに、医療費や退院後の療養生活、介護について考えなくてはなりません。
ある程度の規模の病院では「医療相談室」や「地域医療連携室」といった入院中の不安や悩みに対応する部門や医療ソーシャルワーカーが在籍しているので、相談してみましょう。また、膝痛・腰痛、認知症などは支援レベルから徐々に悪化し、介護が必要な状態になります。日頃から生活の様子や主治医などを把握しておくことをおすすめします。
※厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」
退院後は、どうする?
急性期病院※での症状が安定してくると、退院の話が出てきます。
しかし病気・ケガの後遺症や入院中の体力の低下で日常生活が困難となり在宅での療養に不安がある、在宅復帰のためのリハビリテーションが必要、在宅療養のための準備ができていないなど、家庭での受け入れ体制が整っていない状況もありえます。
その際、
①回復期リハビリテーション病院への入院
②地域包括ケア病棟への入院
③療養病床(医療型・介護型)を持つ医療機関の利用
④介護保険施設への入所
などの選択肢が挙げられます。
在宅療養を選択する場合は、かかりつけ医との連携や介護サービスの利用について考えておきましょう。
いずれの場合も早めに医師や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談を。
※急な病気やケガで緊急な治療・手術が必要な重症な方に、入院や手術、検査などを行う病院。
入院中に申請できる介護保険
退院後に介護型の療養病床や介護保険施設の入所、在宅での介護サービスを希望する人は、入院中に介護保険の要介護認定の申請をしておきましょう。申請のタイミングは入院期間を踏まえ、医師や医療ソーシャルワーカーに相談を。
要介護認定を受けるには、介護を受ける当事者の住民票のある市町の窓口に申請を行います。地域包括支援センターや居宅介護支援事業者、介護保険施設などに代行してもらうこともできます。代行申請にかかる費用は必要ありません。申請時期も含めて今後の療養生活のアドバイスも受けることができます。介護保険については、制度と手続きの流れの項目を参考にしてください。