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タッチング

タッチングはゆったりとした動きで触れ、温かさを伝えることで、相手の心身にリラックスやリフレッシュ感をもたらします。これはいくつになろうと、人生のどんな段階にあろうと、ささやかな肌の触れ合いや、優しさ、思いやりを必要としない人はいないからに他なりません。

タッチングの温かさは、大切なコミュニケーションの手段となります。また手に触れることで、相手の体温や呼吸、柔らかさなどを感じることができ、例えばむくみが出ているか、こわばりがあるかなど、相手の状態も知ることができます。日々のケアにとりいれてはいかがでしょうか。

タッチングを行うときの注意点
「手を清潔にする」「手指の消毒をする」「手をお湯で温める」
●中には触れられることが苦手だったり、慣れないことに対して不安に感じる方もおられるので、事前にどんなことをするか、そして目的について話しておき、同意を得ましょう。
●始める前に簡単な会話をして、落ち着いてもらうとスムーズです。「はい」か「いいえ」で答えられるような単純な質問がオススメです。
●触れるときは手を温かくしておき、そっとなでるように触ります。高齢者は皮膚が薄く血管がもろく、あざができやすい状態です。軽く押して圧をかける行程もありますが、様子を見て行いましょう。
●手指の消毒は、マッサージを行う部位を清潔に保つために行います。ジェルタイプの手指消毒剤や拭き取りができる消毒用ペーパータオルが使いやすいです。
●ハンドクリームなどを使うと滑りがよく、ケアがしやすくなりますが、一方で杖などを使う方にとっては手が滑る要因にもなります。無くても十分ケアを行うことができるので、状況にあわせて選択してください。
 ケアを取り入れるときは、経験を積んだ専門家に相談しておくといいでしょう。

手のタッチング

① 相手の手を両手で包み込むように挟む。相手に一緒に深呼吸をしてもらう。

② 相手の手の甲を上に向け、手首の中央から両親指を外側に交互に拡げるようにさする。手の甲の中央、指先へと位置を変えながら、同様に繰り返す。


③ 相手の手を片手で支え、親指を使って、骨と骨の間を手首の方向に向けて順番にさする。

④ 相手の小指を親指と人差し指で挟み、つけ根から指先に向けて滑らせる。その後、指のつけ根、中央、指先の関節の順で軽く押圧する。これを親指まで順に行う。親指の時は手を変えると行いやすい。(ゆっくりと丁寧に、回数はお好みで)

⑤ ②の動きを繰り返し行う。

⑥ 相手の手を両手で包み込むように挟み、手のひらが上になるように手を返す。

⑦ 自分の小指を相手の親指と小指のつけ根にからめて挟みこみ、相手の手を広げる(a)。親指を使って手首の根本を押したり、指先に向けて押し滑らせたりして、手のひら全体を指でさする(b)。その後手のひら全体を軽く押圧していく(c)。
(a)

(b)

(c)

⑧ 相手の手を両手で包み込むように挟む。もう片方の手も同様に①〜⑧を行い、最後に相手に一緒に大きく深呼吸をして終了する。

手首〜肘のタッチング

① 相手の手を両手で包み込むように挟む。相手に一緒に深呼吸をしてもらう。

② 相手の手の甲が上になるようにして手首を片方の手で支える。手首から肘に向けて腕の中央部分を通りながら手をなでさするようにゆっくりと動かす。肘まできたら腕の外側を通るように手首の方に戻る。3回くらい繰り返す。

③ 支える手を入れ替え、今度は中央から腕の内側の部分を通るようにして同様になでさする。

④ 相手の手首を両手で支える。腕を親指と残りの指で挟むようにして、腕の中央から外側に向けて広げるようにさする。これを手首から肘に向けて行ったら、また手首に戻るように行う。

⑤ 片手で手を支えながら相手の手のひらが上に向くように腕を返す。相手の手首を両手で支え、腕を親指と残りの指で挟む。手首から肘にかけて親指を使って交互に軽く押圧していく。肘までいったらまた手首まで戻りながら押圧する。

⑥ ②と③と同様に手首から肘にかけて腕をなでさする。

⑦ 相手の手を両手で包み込むように挟む。もう片方の腕も同様に①~⑦を行い、最後に相手に一緒に大きく深呼吸をして終了する。

足のタッチング

① 足をウエットペーパー等で消毒する。足を膝の上のタオルにおいてもらい、足を両手で包み込むように挟む。

② 足を両手で支え、足首の中央から両親指を外側に向けて交互に拡げるようにさする。足の甲の中央、指先へと位置を変えながら、同様に繰り返す。

③ 足を片手で支え、親指を使って足の指の骨と骨の間を足首の方向に向けて順番にさする。

④ 相手の小指を親指と人差し指で挟み、つけ根から指先に向けて軽く引っ張るように滑らせる。3回行ったら、指先を軽く押し圧する。これを親指まで順に行う。親指の時は手を変えると行いやすい。

⑤ ②の動きを繰り返し行う。

⑥ 片手で足を支える。足首から膝に向かって(できる範囲で)足の中央部分を通りながら手をなでさするようにゆっくりと動かし、足の外側を通って足首に戻ってくる。

⑦ 支える手を入れ替え、今度は中央から足の内側の部分を通るようにして同様になでさする。


※⑥、⑦の回数は皮膚が温まったと感じる程度に数回行う。

⑧ 両手で相手の足を支える。足首側から膝に向けて、手のひら全体を使ってふくらはぎ部分をゆっくり押圧する。膝までいったら足首まで戻る。

⑨ 両手で足を包み込むように挟む。もう片方の腕も同様に①~⑨を行い、最後に相手に一緒に大きく深呼吸をして終了する。